「三次元とは、二次元を認識するための空間でしかない」

 

 私は二次元愛好者である。

 二次元に狂おしいほどに恋し、二次元をこよなく愛している。

 二次元はこの世、いわゆる三次元におけるあらゆる存在をも凌駕し、また二次元美少女は、三次元に存在するあらゆる女性よりも価値あるものである。

 

 私はまだ学生の頃、オタクと呼ばれるものが、いわゆる二次元愛好者のことを指しているのだと考えていた。

 しかしそれはどうにも間違いだったようで、自称アニメオタクである者たちは、ふとした拍子に脱オタをしたり、突如として三次元に彼女を作ったり、あるいは三次元の女性に現を抜かし、風俗へと転がり童貞を卒業する者も居ると、今では知っている。

 かつての私はどうにもそれが納得がいかないので、オタクという言葉の意味をよくよく考えていた。

 いわく、オタクとは愛好するものへの知識が豊富であり、よく語る者のことをそう呼ぶようであった。

 収集家はコレクター、一般人の知りえぬ深い(マニアックな)ところを好むのがマニア。

 

 では私はなんであるのだろうか。

 アニメや漫画は好き、ラノベも好きである。オタクの様に知識が豊富であるわけではない。むしろ知識など皆無に等しい。

 なにせ脚本、監督、声優、その他諸々に対して、関心が全く無いのである。

 かといって、コレクターというほど収集に熱意があるわけでもなく、マニアというほどの深みも無い。

 私はただただ幻想の世界が好きで、空想のキャラが好きで、理想の展開に憧れていて、夢想するほどに欲していて、ただ妄想に明け暮れているのが精々であった。

 

 では私は一体何か。

 ここまで搾れば答えは簡単だった。

 二次元をただ愛好する者。それを主義とする者。

 こうして俺は二次元愛好主義者という言葉を創り、その異常性に胸を張ることが出来るようになったのである。

 

 では二次元愛好主義とは一体なんであるのか。私なりの主義を簡単に列挙してみる。

 なお、二次元愛好主義者は男女を問わない。

1.二次元を至上のものとして愛好する。

2.二次元に何より重く価値を置く。

3.二次元の出来事には三次元以上に過敏に反応する。

4.二次元キャラクターを最上の存在として意識する。

5.嫁は二次元であり、童貞や処女は二次元へと捧げる。

 

 これが私の二次元愛好主義の最低限の基準だ。

 が、この基準を満たしている人間というのが思いのほかに見つからない。

 もはや私の理想としていた二次元愛好主義者とは、昔の私の思い込みだったのかもしれないと思うほどであった。

 とはいえ、たとえそうだったとしても、私が二次元愛好者であることに変わりは無い。

 これからも二次元愛好者として妄想を続け、童貞を貫き、二次元に触れることで何よりも幸福を感じられる自分であればと思う。